『挫折だけが人生さ』と言うような中年男が感じる、故郷への慈しみを発信します。


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   みぞれ

 明け方から降り出した雨がみぞれに変わった。ここ数日暖かい朝が続いている。今朝も起き出した頃には、素足で板の間を歩いても平気だったが、徐々に窓の曇りが大きくなっている。外気が下がっているのだろう。朝のニュースで北海道、東北は雪に変わると報じていた。いよいよこの里も初雪に覆われるかもしれない。今日はもう師走の9日である。例年なら1度や2度、庭の雪を掃いても不思議ではない。

 数日前、テレビがキャベツの廃棄を伝えていた。出荷直前のキャベツを大型トラックターで踏み潰していく。その光景には胸が痛くなった。白菜、大根も大掛かりな廃棄が行われたと言う。暖冬の影響で野菜の育ちが良いのだろう。中年の農婦が日焼けした顔に苦渋の色を浮かべて、「仕方が無い」とテレビのマイクに答えていた。いつか見た光景だ。自然相手の農業はなかなか思い通りにはいかない。

 私の小さな農園も冬越しである。先日ローターリーをかけたので、今は黒い土がむき出しだ。来春の為に土壌改良剤や有機肥料をたっぷり撒いておいた。来年は少なくても今年よりは成長した農夫になろう。除草剤を使わずに雑草に苦しめられ、防除の仕方が解らずに害虫に苦しめられたが、良い経験になった。市場なら規格外のトマトやインゲンを東京の友人達に送ったのだが、彼らは結構喜んでくれた。メールや電話を貰い、来年は一級品を送るからと約束したものだ。

 農作業も終わり時間が出来たので、古い写真や資料を整理している。昨日は本棚に無造作に積み上げてある行政関係の資料を整理した。埃を被っていて窓の外でハタキを掛けたいほどである。妻から暇なんだから少し家の中を片付けたらと言われている。不要な書類は処分しようと捲っていくと、数枚の興味深い資料が出てきた。それらを取り出して目を通す。選挙関連の資料である。疾(と)うの昔に処分したと思っていたのだが、そのままになっていた。

 その中に気になるビラが一枚あった。平成7年の選挙における後援会ニュースである。改めて読んで見る。選挙に当っての公約が載っていた。タイトルは「健全財政の確立につとめます」である。「村財政の逼迫と村営事業による年毎の赤字増大は、多くの村民が心配しています。」で始まっている。「村の長期累積債務34億円(平成5年度末)。スキー場の累積赤字3億9千万円(平成5年度末)。・・・」

 この現状を「起債残高がこれ以上増え続けていくことは村の命とり」と分析し、スキー場については「近い将来に必ず村民に利益を還元することの出来る適切な対処をする」と述べている。読んでいるうちに当時の記憶が蘇る。強いリーダーシップを持った指導者による長期政権の後で、この提案は酷く新鮮に感じられた。

 あれから12年。嬬恋村の債務総額は180億を越えると言われ、実質公債費比率24.7%は週刊誌の全国ワースト100に載る状況である。
昨夜のテレビは熱海市の財政非常事態宣言を報じていた。

  2006/12/09

 26 秋雨前線
 27 イナカッペ
 28
 29 油蝉
 30 折込み
 31 カルピス
 32 銀杏
 33 大丈夫
 34 赤トンボ
 35 急行列車
 36 寒暖計
 37 こけし人形

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