母の入院
満92歳の母が発熱、入院した。昨年11月以来、前橋の姉宅で世話になっていて、嬬恋に戻る直前の出来事である。当初は、年末に我が家に帰る予定であったが、この冬は例年に無く寒さが厳しく、気候が良くなるまでと、姉夫婦の好意に甘えていた。4月に入り、私が母を迎えに行く日を決めた翌日のことである。
年齢が年齢であるため、私も心配して病院に駆けつけた。医師の説明では肺炎とのこと。生来、健康だけが取り得で入院経験の無い母は、環境の変化に酷く戸惑っている様子であった。点滴や導尿管が気になる様子で、時々外してくれと言う。以外に元気そうなので安心したが、その日は姉に代わって私が付き添うことにした。
微熱にウトウトしている母の寝顔を見ていると、否応なく、92年の年輪 を感じる。改めて、その顔が母の母、私の祖母によく似ていることに気付く。そして、この母に長い間反発してきた自分がいることを知る。我がままで、負けず嫌いで、強情で、世話焼きの母。
私はこの母の性格が酷く嫌いであった。15才で東京へ出ようとしたのも、この母から1日も早く離れたかったからである。罵詈雑言を浴びせたこともある。中学時代、一度だけ物を投げつけたこともあった。
そして今、病床の母を前に姉が言う。「お前が一番母に似ていると。」
2006/4/18
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