平成20年度6月定例会一般質問原稿
議長から許可を得ましたので、何点かについて一般質問致します。
私は、昨年5月本村議会の一員となり行政の一端を担うことになりましたが、その職責の重さを再認識している内に1年が過ぎたと言うのが実感であります。この間、先輩議員や議会事務局の指導を受け、徐々にではありますが議会活動の本分が見えてきたことに対し、関係各位に感謝申し上げます。
しかしながら、3割自治と呼ばれるように国の法律や規則に縛られる行政の仕組みに、率直に言って戸惑いも感じています。また、想像していた以上に厳しい財政状況の中で、財政再建と住民の要望をどう折り合いをつけていくのか、考える日々でもあります。
同様に、多くの村民の期待を担いスタートした熊川村政も、この3月には自前の予算を編成し、課題であった機構改革に伴う「課設置条例の一部改正」も先ほど議決されました。名実ともに行政改革、財政改革に向けた体制が整い、村長が掲げる「最大多数の最大幸福」に向けた効率的な行政運営が図られるものと期待しています。
私は過去4回の定例会において、主に政策の転換と言う観点から当局の政治方針を質してきました。3期12年間続いた松本村政をどう変えようとしているのか、そして変化を求める村民の負託にどう応えようとしているのか、そこに注目してきました。
この1年間の熊川村政を振り返ってみますと「内政から外交への転換」が図られたことは事実であり、その成果が表れてきていることも明らかでしょう。ただ、内政においては行政の仕組みの中で、即時に政策が実行できないと言うようなジレンマも感じているのではないかとも推測しています。
そこで、この1年を振り帰り、思い通りになったこと、あるいはならなかったことを含め、自身でどのように評価しているかお尋ねします。
次に「機構改革と人材の活用について」伺います。
厳しい財政状況の中で、平成20年度決算において自治体財政健全化法に基づく「早期財政健全化団体」に陥ることが確実な嬬恋村において、この難局を乗り切るためには役場組織の活性化は不可欠であり、そのためには、機構改革とその組織を生かすための人事をどう行うかが課題だろうと考えます。
今回提案された組織案については、村長の改革の意思が明確に反映されているとは思えませんが、いずれにしても、村長が自身の政策を執行するためのベストな案として提案されたものでしょう。機構改革の仕上げは人事です。職員の能力を最大限引き出す人事を行い、行政改革、財政改革を実効あるものにして欲しいと願います。
村長は以前「財政危機を突破し新しい時代を作るのは職員です。人は石垣、人は城です。あなた達が村を変える原動力です。」と職員に呼びかけています。また、「役場職員は長年村政に携わり、多くの知識や経験を蓄えています。その能力を最大限発揮して村民に奉仕して貰わねばなりません。そのために風通し良く積極的に業務遂行が可能な役場にします。」とも語っています。
私自身、36年間勤め人生活を送った訳ですが、勤め人に対する評価は「人事と賃金、そして信頼の度合い」だと思っています。特に人事は勤め人の生涯をも左右します。職員をやる気にさせ、持っている能力を存分に発揮させることは人事権者の義務でもあると考えます。
そこで、1点目、人材の活用のためには人材の育成が大切ですが、どの様な人材教育が行われているのか、お尋ねします。
人事は適材適所と言われますが、その判断にはなかなか難しいものがあります。また、組織に活力を与える人事を執行するには公平で客観的な見地が不可欠であると私は考えます。特に職員数の削減を進める中で、今まで以上に職員の能力の発揮が求められ現状では、一層そのことが重要だと考えます。
そこで2点目として、異動のための人事評価をどのような基準で行うのか、考え方をお尋ねします。
次に「地上デジタル放送と情報化について」伺います。
テレビを見ていると時々画面に「アナログ放送は2011年7月24日を以て終了します」と言うような文字が表示されるようになりました。
いよいよ、3年後には現在のアナログ放送は終了し、一夜にしてデジタル放送一本に変わりますが、嬬恋のような急峻な地形を含む地帯では、アナログ波に比べて、このデジタル波を受信することは難しいと言われています。住民の中でもどうなるのかと言う心配の声が聞かれます。
昨年、草津の中継基地が完成し、これを受けて嬬恋村では2008年、2009年に田代糠塚、2010年には干俣米原に中継基地が建設される予定ですが、これ以上の基地建設は、放送局側の投資対効果の面から不可能であると聞いています。
この結果、国道144号線沿いの大笹から三原にかけての間を始め、多くの地域が難視聴地帯にならざるを得ない状況です。情報社会の最低限の伝達手段であるテレビが見られない世帯が生じることは、行政としても断じて避けなければならない事案だと私は考えます。
電波が届かないエリアにおける受信は、@共聴組合によるかACATVを受信するかの2つの選択肢に限られます。このうち、共聴組合で受信施設を整備する場合には、国等による「辺地共聴施設整備事業」という制度が19年に創設されていますが、対象設備や補助額の算出に制限があります。
視聴者の負担が35,000円以上で国の補助額が100万円を超えない場合は補助対象にならないと言うことです。また、CATVで受信することに対しても、テレビの放映が1民間企業の手に委ねられることに対し、拒否反応もあるようです。
議会初日の行政報告によれば、村長も群馬県を通じ総務省に精力的に陳情を重ねているようです。その努力もあって、総務省は6月10日、地デジ完全移行対策として、今後3年間で2,000億円の対策を講じる方針を示しました。
経済的な弱者に対する受信機器の購入支援策や高層ビルの陰で生じる難視聴施設の改修費などの対策を採るとしています。ただ、デジタル波が受信できない地域で、専用チューナーだけ現物支給しても、問題は解決しないと言う側面も抱えています。
そこで1点目は、行政として難視聴地域に対し今後どのように対応していく考えか伺います。受信可能エリアにおいても、地形により受信出来ない世帯が生じる可能性も考えられますが、これらの対応についてもお尋ねします。
2点目は、デジタル放送を始めとして高速通信時代に対応するためには、情報基盤の整備が不可欠です。嬬恋村の情報政策を見ますと、平成18年3月策定の「嬬恋村第3次行政改革大綱」で「行政の情報化の推進」として、庁内の情報化や「光ケーブルや高速通信回線の普及」「地上デジタル放送への対応」の検討を掲げていますが、地域全体として、総合的に高度情報化社会に対応するための具体的な方針が打ち出されていません。
その場しのぎのツギハギの情報政策は嬬恋村の将来に禍根を残すと私は考えます。今回の機構改革で情報政策係が設置されました。これについては、情報社会に対する村長の認識を高く評価するものです。
これを機に、財政事情の厳しい状況ではありますが、光ファイバー網の構築など、将来に向けて地域の情報化を支える「嬬恋村情報化計画」を樹立し、計画的に情報基盤の整備を図る必要があると考えますが、このことについてお尋ねします。
最後に「環境教育の推進について」伺います。
今年3月28日文部科学省より新しい学習指導要領が告示されました。ゆとり教育からの転換が図られる中で、主な改訂事項として理数教育や道徳教育の充実などと併せて、教育の情報化や「環境教育」の重視が打ち出されました。
私は3月定例会において「児童・生徒の携帯やインターネット使用の危険性」に関して一般質問を行いましたが、本定例会においては、地域環境の保全が叫ばれる中、小・中学生に対する「環境教育」について、当局の考え方を伺いたいと思います。
嬬恋村は、「第四次嬬恋村総合計画」において環境教育の重要性を掲かげ、群馬県が進める「一郷一学」のテーマとして「環境」を定めています。そこでは「豊かな自然環境を生かした暮らしを通して、環境を大切にする幼児の育成」「児童・生徒が環境保全・改善への関心や環境問題への意識を高め、環境に対し主体的に取り組めるよう努める」など、環境教育への配慮が掲げられています。
これに併せて、嬬恋村の教育基本方針にも、地域づくりの一環として「環境づくりの推進」が謳われています。私も、環境教育は子供の頃から身につけて行くことによってこそ成果が表れると考えています。
そこで第1点目として、総合学習等で現在、児童・生徒に対しどのような環境教育が行われているか、お尋ねします。
この7月には地球温暖防止を最大のテーマとする洞爺湖サミットが開催されます。地球温暖化の要因であるCO2の削減は世界の緊急課題となり、各国の国益をかけての協議が行われる筈です。地球環境の保全は緊急な課題であります。
去る5月9日、熊川村長は高山村に於ける吾妻郡植樹祭において、森林の環境における役割と言う観点の格調高い挨拶を行いましたが、嬬恋村には国有林を含めて187平方キロメートルの山林があります。このことは今後、嬬恋村にとって貴重な資源となることが想定されます。その上に、嬬恋村は現在建設が進む八ッ場ダムを下流に抱える水源地です。
村長が挨拶で触れていましたが、現在、森林整備によるCO2吸収量と都市のCO2排出量を相殺する「カーボンオフセット」と言う政策が注目を浴びています。長野県の伊那市は新宿区とCO2排出量削減のための協定を締結し、区側が森林整備の費用や人的支援を行い、伊那市側が新宿区内の小学生らを対象に環境学習の場を提供しているとのことです。
群馬県においても、沼田市と新宿区、川場村と世田谷区などの間で「カーボンオフセット」が計画されているようですが、このような試みは今後さらに増加することが想定されます。
そこで2点目は、総合学習等を通じ、次の世代を生きる子供たちに森林を活用した環境教育を地域が一体となって推進していくべきではないか考えますが、このことについて伺います。
以上、具体的な答弁を求めて私の一般質問を終わります。