平成20年3月定例会一般質問原稿
議長から許可を得ましたので、何点かについて一般質問を致します。
昨年5月に多くの村民の期待を担い熊川村政がスタートしましたが、スタート早々から西部幼稚園問題に直面し、苦渋の選択をせざるを得ず、行政の継続性と前任者が編成した予算と言う中で、特に内政面において独自性を発揮出来ず、難しいかじ取りを迫られたことは事実でしょう。
しかしながら、平成20年度においては自らが初めて編成する予算であり、どれだけ熊川色を出せるか、私を始め多くの村民が期待を持って見つめていました。無論、厳しい財政事情の中であり、独自の政策を執行することは非常に困難な状況ですが、村長就任後の初めての予算編成、何かやってくれるだろうと期待をかけていた訳です。
私も初めて村の「予算書」の審査に参画しましたが、この「予算書」が平成20年度1年のみならず、嬬恋村の将来の方向を決めると考えると、少なからず気持の高ぶりを抑えられませんでした。
私は過去3回の一般質問において、松本前村政の政策の転換を求める立場から、当局の見解を質してきました。「トップが代わることにより何が変わったのか。」
平成20年度のスタートを前に、私は本定例会においてもそのような観点から、来年度予算から垣間見える熊川村政の政治姿勢の一端について質したいと考えます。
最初に「財政と情報の公開について」お尋ねします。
私は6月定例会において、時代に即応した政策決定システムを確立するためには、情報の公開と政策決定過程の透明化が不可欠であると言う観点から、情報の徹底的な公開を求めました。
12月定例会においても、政策が村民に上手く伝わらないのは情報の発信不足ではないかと、当局の見解を質しました。これらに対して、「情報の公開については積極的に進めたい」旨の回答がありました。また、村長は会報においても「村民の村政を実現するために情報公開を積極的に行い、併せて説明責任を充分果たします」と高らかに宣言しています。
現下における嬬恋村の財政事情は非常に厳しいものがあり、「自治体財政健全化法案」に基づく4つの指標の内、実質公債費比率は平成18年度決算で24.9%と公表されていました。
しかしながら、総務省および県の指摘に従えば、嬬恋村の実質公債費比率は28%程度となり、既に基準の25%を超えており、20年度決算から適用される「財政健全化団体」に陥ることは避けられない状況です。
このことについては、昨年12月12日、鹿沢休暇村における「商工行政懇談会」において初めて知らされたものであり、青天の霹靂の感を否めませんでした。また、多くの村民には、このことの事実説明さえなされていないのが現状であります。
3月8日「嬬恋村 財政に黄信号」「早期健全化団体」へ 上毛新聞1面トップの記事は予想していたとは言え衝撃的でした。私は朝一番でこの記事を目にし、一瞬体が凍てつきそうな感覚に襲われました。『行政の重要な情報が新聞によってしか村民に知らされない現状』これでは前村政のやり方とどこが違うのかと、思わざるを得ませんでした。
県市町村課によれば、群馬県で「財政健全化団体」に移行する可能性が高いのは嬬恋村一村と報じられています。この問題に対する当局の見解は「早期健全化団体になることはほぼ確実。ただ借金自体が増えた訳ではなく、計画どおり財政再建を進めていく」としています。
しかしながら、このような状況に陥った場合、この報道のように、全国ベースのマスコミによる集中砲火は避けられず、農業や観光など嬬恋の基幹産業に与えるダメージは相当厳しいものが想定されます。
そこで、1点目は平成20年度決算において、「自治体財政健全化法」に基づく「財政健全化団体」に陥った場合、嬬恋村の基幹産業などに与える影響をどのように考えているか、お尋ねします。
いずれにしても、村民の多くは巨額の借金を抱え、村の財政事情が厳しいことは承知していますが、「財政健全化団体」に陥った場合の村の基幹産業や住民生活に及ぼす影響までは想定出来ないのが現状です。
振り返ってみれば、この1年間、当局はそう言う情報の発信をしてきませんでした。多くの村民は、上毛新聞を初めとするここ数日のマスコミ報道により、嬬恋村の財政事情の深刻さを知ったと言っても過言ではありません。
そこで2点目は、このような財政状況を直接村民に訴え、行政と村民が共通の認識を持つ必要があると考えますが、現状では説明責任が果たされているとはとても思えません。このことについても村長の考えを伺います。
次に、「嬬恋村運動公園のあり方について」お尋ねします。
私は12月定例会において、前松本村政が16億円以上を投資した「嬬恋村運動公園の運営」について、「村民が自由に利用できる村民の運動場」として、利用形態及び管理水準の見直しを図るべきである、という立場から当局の見解を質しました。
これに対し、当局の答弁は「利用形態及び管理水準について費用対効果の面から検討中である」というような回答でした。平成21年には「財政健全化団体」に陥ることが確実な財政状況の中で、「費用対効果」で結論を出すと言うことですので、多くの村民が納得できる合理的な結論に落ち着くものと考えていたところです。
最初に述べましたが、多くの村民は熊川村政に期待し、前村政の閉塞した状況を転換させてくれると考えています。一日も早く「新しい風」が吹いて欲しいと願っているのです。
行政においては政治的判断を含め一度実行された政策はなかなか転換できません。政策に間違いがないと考える行政にとって、その転換は自己否定につながるからです。多分前任者もそう考えていたでしょう。結局、いったん決定した政策の多くは、トップが代わることによってしか転換できないのです。
群馬県がいい例です。知事が代わることによって予算の組み立ても、機構も政策も大きな転換が図られました。一部で支持のあった県庁前広場の県民参加のイベントさえ、廃止や改善を求められています。
嬬恋においては多くの村民が、前村政の政策の象徴である「運動公園」への取り組みが変わらなければ、村政は変わらないと考えています。それにも拘わらず、予算書によれば、本年度も管理委託契約を結ぶという説明です。
財政事情が厳しく、20年度決算において「財政再建団体」に陥ることが避けられないような状況の中で、年間約700万円の赤字が確実な政策を継続することが妥当だとは私には考えられません。
この運動公園の収支についてみると、平成14年度のスタートから平成19年度までの6年間の管理費の総額が約6000万円で、これに対する利用料収入は1250万円であり、累計で既に約4750万円の赤字を計上しています。
そこで1点目は、このような状況の中で、現在の管理水準を維持することに至った「費用対効果」について具体的に伺います。
「嬬恋村運動公園」の運営の転換は、村民が村長に求める政策転換の重要課題であり、財政面でも緊急の課題であると考えています。多くの村民は、当初の計画どおり村民のグランドとして、自由に使えることを望んでいます。
2点目は、村民の運動公園として、使用内規を含めた利用形態及び管理基準を変更して、村民に自由に開放すべきだと考えますがこのことについて伺います。
次に「情報社会とモラル教育について」お尋ねします。
情報社会の進展により、インターネットや携帯電話などの普及が急速に進んでおり、インターネットの利用実態について統計データをまとめた「インターネット白書2006」によれば、接続場所を問わずインターネットを利用している人がいる世帯(インターネット世帯浸透率)は85.4%と言うことです。
自宅でインターネットを利用している人がいる世帯は(インターネット利用世帯)は57.3%で、携帯電話等からの利用者を合わせると日本のインターネット人口は2006年末で7660万人に達するとされています。
このように急速に進歩する情報社会の中で、ビジネスだけでなく私たちの日常生活も大きく変化しており、IT社会の便利さを享受すると共にネット社会が持つ脆弱さと危険性にも直面しています。
そしてこのことは、私たち大人の世界だけでなく、子供たちの日常生活の中まで、光と影として確実に浸透しています。今でも記憶に新しい佐世保市での小学6年生の殺傷事件を始め、インターネットの掲示板や携帯電話のメールによるいじめなど、児童生徒がトラブルに巻き込まれる事件も多発しています。
嬬恋村においても7,8年前から小学校、中学校にパソコンを設置し、IT教育を進めているようです。今年度予算を見ると、東西中学校への新規パソコンの設置代として1200万円が計上されており、厳しい財政事情の中、予算付けが行われたことについては率直に評価するものです。
このように日々進歩する情報社会を担っていく子供たちに、パソコンを利用して情報処理のスキルを身に付けさせることは、子供達の将来にとって極めて重要であると考えます。
一方ネット社会は便利さや快適さばかりでなく、犯罪や危険を伴う影の部分をもっており、児童や生徒が一瞬にしてこれ等の危険にさらされることも稀ではありません。
このような状況を踏まえ、文部科学省では「情報モラル等指導サポート事業」を立ち上げ、情報モラル教育の実践を推進しています。教育的見地からすれば、パソコンを使いこなす技術と共に「情報社会における正しい判断や望ましい態度を育てること」が必要になると考えます。
また、「情報社会で安全に生活するための危険回避の方法やセキュリティの知識・技術・健康への意識」を児童生徒に教えていくことが緊急の課題だと私は考えます。
そこで1点目は、携帯電話の保持も含め、児童生徒の家庭でのインターネットの利用状況について把握しているかどうか、お尋ねします。
次に2点目は、このような情報社会で情報活用能力と合わせて情報モラル教育の実践が必要だと考えますが、現状どのような教育が行われているか伺います。
最後に、冊子「嬬恋の教育」を見ると教育の基本方針の具体化として、情報教育の充実がうたわれていますが、今後ネット社会における子供たちのモラル教育を、どのように進めようと考えているか、お尋ねします。
以上、3件の質問について当局の具体的な答弁を求め、私の一般質問を終わります。