平成19年9月定例会一般質問原稿
議長から許可を得ましたので通告書に基づき、何点かについて一般質問を致します。
4月の選挙において多くの村民の期待を集めて熊川村政がスターし4ヶ月余が過ぎました。私自身も思いもよらず村政の一翼を担うことになり、この間、6月定例会の西部幼稚園建設問題等、政策に対する自身の決断を求められ、村政に関わるスタンスを改めて確認しているところです。
熊川村長においては、苦節8年、「自分は村長になるために嬬恋に帰って来た。なれなければ嬬恋に帰ってきた意味がない」と言う強い信念で、見事その思いを遂げました。確かに、同年輩とは思えないほどフットワーク良く、外交に内政に全速力で走っている姿勢は、財政難に直面し閉塞している「ふる里嬬恋」が再生するかも知れない、と言う期待を抱かせるのに充分です。
そこで、スタート間もない時点ですが、熊川村政4ヶ月余を検証する意味で、第1に「政策と実行について」お伺いします。村長は出馬に当たり村民に対し様々な公約を掲げています。「財政」「農業」「観光」「産業」「教育」「福祉」「環
境」「外交」の分野について、8つの約束と言う形で提示している外、嬬恋の抱える多くの課題について、自身の政策を具体的に提案しています。
また、6月定例会の所信表明においても、同様の決意を重ねて述べています。例えば「財政」における一時借入金の全額返済、「農業」では嬬恋キャベツの地域ブランド登録、有害鳥獣対策の積極的推進、「産業」においては新産業として地熱発電の誘致などを具体的に挙げています。
そこで1点目は、これら公約の内、具体的に実現の堵(しょ)についたものがあればその事についてお答え下さい。
2点目は、6月の西部幼稚園建設問題もそうでしたが、第三セクターあるいは関連するスキー場の難題等、挑戦者であった時と実際に村長に就任して関わる行政では、継続性の問題もあり、戸惑いもあると思いますので、このことについて率直な所見を伺います。
次に「嬬恋の教育について」質問します。
昨年の12月15日、新しい教育基本法が第165回臨時国会において成立し、12月22日に公布・施行されました。約60年ぶりの改正と言う事ですが、戦後民主主義の恩恵を受け、「団塊の世代」あるいは「全共闘世代」と言われながらも、自由にそしてしたたかに生きてきた我々の世代にとっては、感慨深いものがあります。
今、教育を取り巻く環境は激変しています。いじめや不登校。虐待、少年犯罪の多発。私達が育った時代とは余りにもかけ離れ過ぎて、戸惑いすら覚えるほどです。教育の問題についてはそれぞれの立場で見方、考え方も違い、教育現場の経験のない私などが論じられる命題では無いとは思いますが、「教育施設再編見直し」の議論が始まる中で、一人の村民として、教育に対する嬬恋村の基本的な考え方を確認したいと思います。
嬬恋村は第四次嬬恋村総合計画基本構想に基づき、『嬬恋の教育』5ヵ年計画を定めています。そこでは教育の基本理念として「豊かな心・豊かな体力・豊かな学力」を身に付けた、国際社会に生きる日本人としての自覚を持った嬬恋村民の育成」を格調高く掲げています。
基本方針として「学校づくり・家庭づくり・地域づくり」の三つを教育の目標と定め、具体的な取り組みとして「確かな学力の向上」「特色ある学校づくりの推進」「家庭・地域の教育の支援」を上げています。
これらの目標を達成するため、平成18、19年度を推進期、平成20,21年度を充実期、そして平成22年度に評価を行う事としています。これ等を踏まえ、1点目は、村長は冊子『嬬恋の教育』の序文で「教育の再生」を掲げていますが、嬬恋の教育の現状にどのような問題があると思うかお尋ねします。
教育は経済効率で測る事は出来ません。その上、教育の成果は短期間では現れず、それが結実するには多くの時間が必要です。しかし教育は国家の命運を定め、ふる里嬬恋の将来をも左右します。
そこで、2点目は、学力の問題です。
現在の教育の抱える課題として、学力の低下が懸念されています。無論、教育が学力だけで語られる筈がないのは承知ですが、『嬬恋の教育』5ヵ年計画でも「確かな学力の向上」は基本目標として掲げられています。矢張り教育行政において「学力の向上は」重要なファクターの一つです。そこで、嬬恋村の児童生徒の学力レベルについて教育長にお尋ねします。出来るだけ具体的にお答え下さい。
なお、教育委員会でも毎年独自に学力調査をしているようですので、中学2校、小学校5校の学力調査結果を公表し、学力の向上に資するべきだと考えますが、このことについて伺います。
3点目は、『嬬恋の教育』5ヵ年計画の評価手法ですが、5ヵ年計画は「なげかける ことばに ほほえみを さしだすその手に ぬくもりを」と言う「嬬恋村村民憲章が求める村民像」を目標に定めていますが、平成22年度には評価・発展を行うことになっています。最初に述べたように教育基本法が改正され、文部省の指導要領も変わる事が想定されますが、誰がどのように評価し、どのように発展させて行くのか伺います。
第3に「英語教育の実践について」質問します。
村長は政策として「子供達たちが英語を話せる村づくりの実現」を掲げています。また、「小さな時より遊びながら英語と触れ合える環境を整える」と語っています。他方、文部科学省は8月30日、学習指導要領改定の基本的な考え方として、高学年で「英語活動」を週一コマ程度設けると言う素案を中教審に提出しました。
小学校での英語の必修化については賛否両論ありますが、嬬恋の中学で始めて英語に接した私達の世代は、多かれ少なかれ、その英語で苦しんだ経験を持っています。英単語にカタカナをふって覚えた発音は、残念ながら外では通用しませんでした。私自身は、高校の最初の授業でブロークンな発音をクラスメートに笑われ、それがトラウマとなってなかなか英語に馴染む事が出来ませんでした。
そこで1点目は、村長が掲げるように「小さな時より遊びながら英語とふれ合う」ことの出来る英語教育を、どのように進めて行こうとするのか具体策をお尋ねします。
次に、現在嬬恋ではALT(英語指導助手)が1名おり、東西中学校で隔週3回会話を中心に指導し、金曜日1日が小学校の英語教育に充てられているとのことです。また、吾妻教育事務所に所属し郡内を指導していたALTは現在では欠員になっていると言う話です。残念ながらこの状況では、少なくても嬬恋の小学校において、英語教育が実践されているとは考えられません。このような状況の中で、英語の話せる子供達をどのように育成していくのか課題は山積しています。
そこで、小学校で英語教育を推進する手段として、「英語特区」の導入が考えられます。少し古い資料ですが、2005年時点で、「特区」に認定され小学校で英語を教科として教える事が可能な自治体は、全国で40余の県市区町に広がっています。群馬県でも太田市の私立「ぐんま国際アカデミー」のほか、大泉町でも「英語特区」の認定を受けています。
事例を見ますと、宮城県の角田市では、平成16年度から角田市内の9つの小学校で「英語活動科」を設置し、週1時間(年間35時間)の授業を行い、英語によるコミュニケーション能力を育成しているとの事です。
そこで2点目は、小学校1年生からの英語教育を進めるためには「特区」の導入が必要となると思いますが、村長はこの点についてどう考えるか伺います。
最後にテーマが変わりますが、これだけはどうしても行政の考え方を聞かない訳にはいきません。先輩議員からの質問にもありましたが、違った角度で「鳥獣害対策について」お尋ねします。
先ほど産業建設常任委員長より、全国山村振興連盟から要請があった「有害鳥獣対策の抜本強化について」の意見書等の採択の報告があったところですが、現状を見るにつけ、遅きに失したと言う感がありますが、主旨については我が意を得たりと言うところです。
全国における鳥獣被害の現状を見れば、農耕民族であるわが国の農業農村の危機であります。その経済的被害の深刻さはもとより、鳥獣害による農地の荒廃は農村の存続さえも危うくしかねません。
嬬恋村においてもその被害は年々拡大し、本年度の被害状況をみると、8月15日現在、カモシカやイノシシ、猿による被害が24,000,000円を越えたと言う事です。今後、クマや猿のトウモロコシ類に対する被害がまとまれば、その被害額は大きく跳ね上がることが予想されます。それは現実に日々有害鳥獣と対峙している多くの農家の実感でもあります。
捕獲数も村長の行政報告によれば、イノシシ26頭、クマ5頭、猿2匹という事で、被害を受けている農家だけでなく、捕獲檻や罠の設置、見廻りなどこれに従事する猟友会員を初めとする関係者の労苦は察して余りあります。
行政においても村長を先頭に、有害鳥獣対策本部をたち上げ、捕獲奨励金や捕獲資材の補充、捕獲従事者の育成などを進めているほか、カモシカについては捕獲調査を実施していると言う事ですので、それらの成果を見極めるとして、今回は、一部地域で猛威を振るう猿対策を中心に質問したいと思います。
野猿が大前地区に始めて出没したのは、平成16年の夏です。西小学校の裏の畑に出たのが最初です。それから3年で国道から山側の畑のいたるところに出没し、農作物を荒らしています。30から40匹の群れに始まり、100匹近い大群まで出没し、大根、カボチャ、花インゲン、トウモロコシとありとあらゆる農作物を漁っています。猿の出没地区は門貝、西窪、三原、大前と広がり、現在では干俣の大原でも見かけるようになったと言うことです。
そこで1点目は、行政は猿の防除対策として、花火による追い払いのほか、電気牧柵の設置を奨励し、試験圃場での実証を試みていますが、その方法とどのような成果が得られたのか農林建設課長にお聞きします。
私の経験からすると、電気牧柵設置による一定の効果は認められますが、これには大きな問題が内在します。私が牧柵によって防御を強化すれば、猿は「じいちゃん ばあちゃん」が作っている防御の弱い畑へ侵入すると言うことです。
現実問題として、地区の農地を総て電気牧柵で囲う事は物理的にも不可能なので、これでは問題は解決出来ません。また、学習能力に長けた猿軍団はこれを突破する方法を直ぐに会得するでしょう。既に会得した猿もいるようです。
次に猿の追い払いですが、これは事前に猿の出没情報を掴まないと効果がありません。大前地区では「猿追い払いネットワーク」を組織して、猿と対峙していますが、発見者から連絡を受けメンバーが駆けつけた時には、「畑」は壊滅状態です。
現在、猿の接近を事前に感知する手段としては、「猿接近警戒システム」と言う装置が開発され、多くの自治体がこのシステムを採用しています。群馬県内では、沼田市が他に先駆けてこれを設置したと言うことです。
この装置は、群れで生活するメス猿を捕獲し発信器を着け山に帰し、電波を受信するシステムで、猿が接近すると警戒音が鳴ると言う仕組みです。最新のシステムでは、猿の接近情報を「データーベース・サーバー」に送り、ここからパソコンや携帯に通信されるシステムも開発されたようです。
これによって野猿の接近が探知できれば、待ち伏せして追い払うことで、人間と猿の住み分けも可能になるでしょう。
また、いずれ、GPSシステムの活用による群れの管理も実用化されると期待しますが、これ以上、嬬恋における猿被害の拡大を防ぐため、このようなシステムの導入を検討すべきだと思いますが、この件について考えを伺います。
最後に、私は、猿を含めた鳥獣被害の抜本的な解決策は「思いきった固体の調整」だと考えますが、このことについても村長の所見を伺います。
以上4件の質問に対し、村民に解るように具体的な答弁を求めて、私の一般質問を終わります。