平成19年6月定例会一般質問原稿
議長から許可を得ましたので通告書に基づき、何点かについて一般質問を致します。
4月の選挙において12年間嬬恋村の舵取り役であった松本前村長に代わり、新たに熊川村政が誕生致しました。私自身も思いもかけず村議会選挙に立候補することになり、幸いにも村政の場に参画できることになりましたが、熊川村長とは同年輩のうえ、学生時代を同じ学び舎で過ごした事もあり、新村長にはふる里嬬恋の再生のために、その卓越した企画力と行動力を発揮して、頑張って欲しいと願っています。
それでは先ず第1に「松本前村政に対する評価について」お伺いします。この事については、就任の挨拶や所信表明の中でも触れられておりませんので、お伺いしたいと思います。12年前、16年間の「森田村政」に代わり「松本村政」がスタート致しました。「起債残高が34億円を越えて増え続ける事は嬬恋村の命取り」と言うようなフレーズが新鮮に思えた時期もありましたが、現実には160億円以上の債務を残し退陣することになりました。「群馬県で一番豊かな村」と言われた嬬恋村が何故このような状況に陥ってしまったのか、改めて考えざるを得ません。
外部的には「失われた十年」と言われるようにバブル崩壊後の経済の低迷、それに伴う国の行財政改革による交付税の減額等厳しい局面であった事も事実ですが、財政事情を無視した事業の執行等、まさに陳情政治による弊害が今日の局面を招いた事も事実です。そして、ケーブルTVによる議会中継など村民の期待も大きかった斬新な公約も実現出来ませんでした。功罪半ば、村民一人一人、様々な評価があると思いますが、これら松本前村政に対する率直な感想と、評価できる政策があるとすればどのような政策か伺います。
次に「選挙公約と西部幼稚園建設について」質問します。
前村政のように政治家の公約と実行はしばしば議論の対象となるところですが、新村長もマニフェストと言う形を含め様々な公約をされています。まだ就任間もない段階であり、今後に期待をかける訳ですが、新村長の公約の内、西部
稚園の建設については質問せざるを得ません。当該事業は昨日入札に付されましたが、この時点での執行は明らかに村長の選挙公約に違反していると考えます。
熊川村長はマニフェストの中で「西部幼稚園は充分議論を尽くす」と公約しているほか、後援会の政策特集号では「この時期に西部幼稚園の三億円は疑問です」と述べ、(1)中長期の財政見通しが立つまで先送りすること、(2)既存施設の必要最低限の補修をすること、(3)その予算はスキー場会計の隠れ借金の残高6億9千万円の返済に充てる、と宣言しています。私は、今回の西部幼稚園建設の執行は明らかにこれらの選挙公約に違反していると考えますし、多くの村民がそう感じていると思っています。
村長は去る5日の所信表明の中で「現実と認識していた事の較差が大きかった」「県、国、村の予算が決定している」「当選後に現地を見て総合的に判断した」等述べています。行政のシステムに精通している村長ですからこれらの状況は前もって認識出来たと思うのです。その上での公約であった筈です。「もったいない」のフレーズで有名な滋賀県の嘉田(かだ)知事は、公約どおり新幹線の新駅建設を中止しました。
以前と違い村民の政治公約を見る目は厳しくなっています。このような事態が続くと、村民の政治不信が高まり、熊川村政から人心が離れます。マニフェスト選挙の重さを考えると、私は一時凍結して議論を深めるべきでは無かったと考えます。スタート早々難題に直面し、苦渋の選択であったとは思いますが、執行した以上、この件について村民に解るように答弁願います。
第3に「教育施設の再編について」質問します。
村長は先日の所信表明の中で「学校統合は財政状況をみると計画通りには再編できない。全体計画を見直したい。」と述べています。このことは吾妻県民局の「市町村財政コンサルティング報告書」の中でも「大規模建設事業の抑制」と言う観点から「幼稚園の統合が予定されているが、新園舎の建設は村の財政に支障がでない範囲で行うべきである。」「また、小・中学校の統合については全体の改修計画及び将来的な財源見通しを立てた上で慎重に行うべきである。」と事業の執行は財政の裏づけが必要と指摘しています。
このような状況の中で,全体計画を見直す事は必然であると考えられますが、私はかねてから教育施設の再編は、東西中学の統合を先行させる選択しもあるのではないかと考えています。東西中学の統合は森田村政でも議論されており、当時統合が実現していれば現在の財政状況も若干は変わっていたと思われますが、残念ながら統合は果たせませんでした。しかしながら、東西中学の統合は議論の下地が出来ている外、直ちに嬬恋中学校として嬬恋人育成に寄与できると考えられます。
いずれにしても危機的な財政事情の下での再編作業であり、教育的効果の発揮と財政への負担軽減が求められる中、規定方針どおり西部幼稚園の建設が始まる状況で、どのような観点から全体計画を見直して行くのか、具体的に村長の考えを伺います。また、統合の問題は地域に与える影響も大きく、地域社会の合意無くしては進みません。先日の上毛新聞に六合村が来春閉校する入山小の再利用計画を民間から募集すると言う記事が載っていました。嬬恋においても施設を含めた跡地の活用を全体計画の中で具体的に作成していく必要があると思いますが、この点についても考えを伺います。
次ぎに「新政治スタイルの確立について」お尋ねします。
村長は所信表明の中で、「時代に対応した無理、無駄、ムラの無いスピーディーな政策決定システムを確立する」と宣言致しました。具体的には(1)聴聞(2)企画(3)議会(4)公表(5)執行(6)評価(7)監査と言う行政執行の一連のシステムを確立したいとの事でした。議会の議決権と監視機能の強化は勿論ですが、村長の持論である「透明性の高い責任をとる村政の実現」のためには、情報公開が欠かせません。
多くの村民が政策の決定過程を含めて村政のあり方に関心を持っています。160億と言うような債務が公になったことにより、村民の村政にたいする関心が高まっています。村民が重要な情報を新聞のオリコミで初めて知ると言うようなことはあってはならない事です。「広報つまごい」や「議会報」の充実はもとよりですが、私は、各家庭に急速に普及
しているインターネットによる情報発信をもっと進めるべきだと思っています。嬬恋村のホームページへのアクセス数は、2005/7/1からの2年弱で272,000件を越えています。一日約380件です。インターネットの活用は更に重要性を増すでしょう。将来的には光ファイバー網の構築によるケーブルTVネットワークの整備も必要になると考えますが、村長の所見を伺います。
また、新政治スタイル確立のためには、有効な評価システムの導入が必要だと考えます。村長は「執行された事務・事業はできるかぎり評価システムを導入し公平・適正であったかを評価したい」としています。吾妻農政事務所では県の単独補助事業に関し、第3者委員会による計画時と事業完了後の審査を行っています。メンバーは郡内の管理栄養士、税理士、ペンション経営者、農業委員会長、それに元団体職員の5人で構成され、それぞれの目線で事業を評価しています。この20日には嬬恋での現地調査を行う予定です。新政治スタイル確立の為に、村長はどのような評価システムを考えているのか伺います。
また、嬬恋村の厳しい財政事情を考えれば、債務負担行為を伴うような事業については、事業完了後も初期の目的を果たしているかどうかの検証も必要だと思いますが、これについても村長の考えを伺います。
以上4件の質問に対し、村民に解るように具体的な答弁を求めて、私の一般質問を終わります。